観察研究による閉塞性睡眠時無呼吸症候群における気流閉塞の予測因子の検討

観察研究による閉塞性睡眠時無呼吸症候群における気流閉塞の予測因子の検討

研究の目的

閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者 (以下OSAS) のうち、慢性閉塞性肺疾患 (以下COPD) が合併する疾患をオーバーラップ症候群と呼びます。オーバーラップ症候群はOSASだけ、COPDだけの場合に比べ、死亡率が高いことが分かっています。また、適切なCPAPによる治療が死亡率を下げることも分かっています。
しかし、オーバーラップ症候群の病態はいまだに完全に解明されていません。OSASと診断された患者さんのうち、どんな因子を持っている人がCOPDを合併しやすいかについては、これまで研究されたことがありません。
我々は、当院でOSASと診断された患者さんのうち、これまでCOPDと指摘されたことのない、喫煙歴を有する40歳以上の方に対し各症状スコアリングと呼吸機能検査を施行し、OSASにおけるCOPDの予測因子としての症状スコアリングを検討いたします。
我々昭和大学病院呼吸器アレルギー内科では本自主臨床医学研究を計画いたしました。
なおこの研究は昭和大学病院呼吸器アレルギー内科が実施する自主臨床医学研究であり、医薬品の製造販売を行っている製薬会社をはじめ、他の団体からの資金的援助に基づいて行われるものではありません。

研究の内容

昭和大学病院付属東病院 睡眠医療センターで実施し、当臨床試験に際し同意を得られた閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者さんに対し、自己記入法による各自覚症状スコア (ESS, mMRC, CAT, 急性増悪エピソードの有無)、呼吸機能検査を施行します。

研究の参加基準

1)同意取得時の年齢が、40歳以上
2)喫煙歴がある
ただし、以下の事項に該当する場合、研究に参加できませんので申し出てください。
1)心疾患、他の呼吸器疾患などのコントロールが不十分な方
2)心疾患、他の呼吸器疾患により在宅酸素療法や在宅人工呼吸器を導入されている方
3)悪性腫瘍、その他難病の治療中である方
4)重篤な肝・腎障害に罹患している方
5)研究担当医師の判断により不適格と判断した方。

参考文献

Owens RL et al. The overlaps of asthma or COPD with OSA: A focused review. Respirology. 2017; 22(6): 1073-1083.
Stanchina ML et al. Impact of CPAP use and age on mortality in patients with combined COPD and obstructive sleep apnea: the overlap syndrome. J Clin Sleep Med. 2013; 9(8): 767-72.

研究責任者:昭和大学病院附属東病院 呼吸器アレルギー内科 渡部 良雄
分担研究者:昭和大学病院附属東病院 呼吸器アレルギー内科 伊田 瞳
〒142-0054 品川区西中延2-14-19
TEL:03(3784)8000(平日8:30~17:00,土曜8:30~13:00)